卓球選手を短期間で強くする4つのコツを公開!詳しい練習法も解説!
選手を短期間で強くしたいと思うのは全て指導者の共通の願いです。
皆さんも選手を強くするために、日夜、勉強や試行錯誤を繰り返していることでしょう。
今回は、約20年の指導経験の中で自分なりに編み出した、卓球選手を短期間で強くするコツや練習法についてお話します。
卓球選手を短期間で強くするコツは4つ!それは・・・
短期上達のコツは何かと聞かれたら、そのコツは4つあると思っています。
それは・・・
- 足を止めた練習をしない
- 常に複数の技術の組み合わせで練習をする
- ランダムの要素を加えた練習をする
- アドバイスをしすぎない
です!
それでは、それぞれの項目について詳しく解説していきます。
短期間で強くするコツ①足を止めた練習をしない
選手を短期間で強くするためには、足を止めた練習をしないということが非常に重要です。
というのも、実際のラリーでは、打球をするその一瞬に足を止めることはあったとしても、それ以外の場面では足を止めることはないからです。
ところが、実際の練習では、足をとめた練習が行われていることが少なくありません。
例えば、初めてツッツキの練習をするとします。
その時、上半身、もっと言えば腕から先だけの動きの練習を繰り返すということはありませんか?
自分も指導者を始めたばかりの頃は、しっかりとフォームを覚えさせようとする意図から、そのような練習をさせていました。
でも、実際には最初に書いた通り、実際のラリーで足が止まることはありません。
そう考えると、どんなに初めて挑戦する技術でも、足を動かしながら練習することが重要だし実戦向きだということがご理解いただけると思います。
短期間で強くするコツ②常に複数の技術の組み合わせで練習する
新たな技術に挑戦させるとき、その技術がしっかりと習得できるまで同じ練習を繰り返したりしてませんか?
実は、それって非常に効率が悪いです。
と言うのも、卓球のラリーは複数の技術の組み合わせで成り立っており、1つ技術だけでラリーが行われることはないからです。
1つの技術を繰り返し使うとしても、多くても2~3球程度でしょう。
また、1つの技術を習得するには、結構な時間を要します。
それなのに1つの技術を完璧にマスターすることにこだわっていれば、いくら時間があっても足りません。
なので、技術をマスターさせるには、習得しようとする技術+習得しようとする技術と関連のある技術の組み合わせで練習するのが、時間効率が良く実戦的な練習となります。
短期間で強くするコツ③ランダムの要素を加えた練習をする
ラリーに決まりごとはありません。
相手は得点を奪おうと、様々な回転のボールを様々なコースに打ってきます。
なので、どんなボールに対しても瞬時に対応できる能力を普段の練習から身につける必要があります。
ところが、いろいろなチームの練習を見てきましたが、意外と決まりごとの多い練習をしていることが少なくありません。
シッカリとした技術や動きを身につけるためには、決まり事ある練習は必要です。
でも、そのような練習ばかりでは瞬時の対応力は身につきません。
だからと言って、特別な練習をする必要はありません。
普段の練習の中に、チョットだけコースを変えたり球種をかえたりランダムの要素を加えるだけで、格段に質の高い実戦的な練習になります。
短期間で強くするコツ④アドバイスをしすぎない
選手を短期間で強くするには、アドバイスをしすぎないということが大切です。
これが選手を短期間で強くするための1番大切なコツなんですが、現実にはなかなか難しいです。
指導者として1日も早く選手を強くしたいと思うあまり、手取り足取り指導をしたり、1から10までアドバイスしたくなるという気持ちは理解できます。
なんなら自分もそうでしたので・・・
でも、その行為は選手のためにはならないし、かえって時間がかかります。
例え話をしましょう。
勉強をする時、分からないと思ってすぐに答えを見るのと、いろいろと試してみたり調べたりして答えに辿り着くのと、どちらの方がしっかりと身につきますか?
当然、答えは後者になりますよね。
それと全く同じです。
あれやこれや手取り足取り教えても、技術は意外と身につかないものです。
手取り足取り教えるのは最初の説明の時だけで十分です。
それよりも、ヒントを与えて選手自身にミスの原因や解決手段を考えさせ、いろいろと試行錯誤させた方がしっかりと身につきますし、結果として時間もかかりません。
卓球選手を短期間で強くする練習法を解説!
ここからは、選手を短期間で強くするための具体的な練習の進め方と練習法について解説します。
ツッツキの習得を練習目標にするという設定で、練習の進め方や練習方法を順を追って説明します。
練習の前には練習の目的と動き方をキチンと説明する
当たり前のことだと思われるでしょうが、練習の前には、どんな技術を練習するのか、その目的と効果は、そして練習目標は何かをキチンと説明してください。
同様に、練習する技術の解説も事前にしっかりと行うことが大切です。
それをすることで選手は、練習の目的や意味をしっかりと理解することができ練習の効果が高くなります。
反対に一番良くないのが、練習の意味や目的も分からず、ただ指示されたことを練習するという状態です。
以外にも、このような場面を目にすることは少なくありません。
このような状態では、練習の目的も意味も不明確のため練習の効果は非常に低くなります。
貴重な練習時間を無駄にしないためにも、事前にキチンと説明することを心掛けてください。
練習法①多球練習で基礎作り
新しい技術を習得させるためには多球練習で行うのが効率的です。
その理由については、下の記事を参考にしてください。
先にも書いた通り、練習は必ず足を動かしながら行います。
今回はツッツキの習得を練習目標としているので、ニュートラルの位置から足を運んでツッツキを行い、またニュートラルの位置に戻るという動きを何度も何度も繰り返します。
初めは動きを確認しながら、1本ずつ確実に返球できるスピードからか始めます。
徐々に動きがスムーズになって、ミスが少なくなってきたら、送球のピッチを上げて連続で打球させるようにします。
ピッチが上がってくると、足が止まりがちになるので絶対に足が止まらないように指導してください。
また、始めたばかりの段階では当然ながらミスが多く出ます。
その際は、原因を説明し修正するのではなく、ヒントを出しながら選手に試行錯誤をさせて、技術の習得に導いてあげてください。
この多球練習での目標は、速いピッチの送球で10球程度連続で返球できるようになるまでで良いでしょう。
この目標が達成できたなら、次の複数技術の組み合わせ練習に進みます。
練習法②複数技術の組み合わせ練習
多球練習での目標が達成されたら、次は、ツッツキと関連ある技術の組み合わせ練習を行いながらツッツキの習得を進めます。
複数技術の組み合わせの練習も、最初のうちは多球練習で行います。
今回は、ツッツキ+ブロックの組み合わせで練習するとします。
下回転ボールを送球しツッツキで2~3本返球したら、ロングボールを送球しブロックで返球させます。
このように、マスターしようとする技術+マスターしようとする技術と関連のある技術の組み合わせで練習することで、目的とする技術習得のための練習時間を確保しつつ、実戦的な練習を同時進行で行うことができるのです。
練習法③ランダムの要素を加えてより実戦的な練習へ
多球練習で一連のパターンが、ノーミスで複数回連続で行えるようになったのなら、徐々にランダムの要素を加えて、より実戦的な練習を行います。
例えば、ツッツキの本数を指定せずにランダムでロングボールを送球するという練習をすれば、1本ごとにニュートラルの姿勢に戻る必要がでてくるので、より実践的な多球練習になります。
また、多球練習で技術が安定してきたら、1本打ちで、より実戦的な練習を行ってください。
マスターしようとする技術にランダムの要素を加えれば、すぐに試合で使える技術が習得できます。
まとめ
今回は、卓球選手を短期間で強くする4つのコツと、ツッツキの習得を例に詳しい練習法を解説しました。
大切なのは、いかに無駄を省いた効率的な練習方法を組み立てるかだと思います。
そのためにも、足を止めた練習をしないこと、複数の種目を同時に練習することが何よりも大切です。
また、試合のことを考えると、瞬時の対応力を高める練習や、自分で問題を解決する能力を養うことも重要です。
今回ご紹介したのは、あくまでも一例に過ぎません。
必要に応じて、どんどんカスタマイズして、選手を強くするためにお役立てください。