卓球初心者が最初に覚えるサーブは下回転が最適!理由とコツを解説

卓球をする上で絶対にできなければならない、というよりも、絶対にできないと試合にならない技術の1つがサーブです。

一口にサーブと言っても、ボールの回転方向や出し方を考えると、その種類は、もう無限と言っても過言ではありません。

そんな無数にあるサーブの中で、僕が卓球初心者にぜひとも最初に覚えて欲しいサーブが下回転サーブです。

なぜ僕が卓球初心者に下回転サーブをおすすめするのか、その理由が気になりませんか?

そこで今回は、

・中学生の卓球初心者下回転サーブを最初に覚えるべき理由
・下回転サーブが難しい理由
・下回転サーブのコツ

について解説していきます。

中学生の卓球初心者が下回転サーブを覚えるべき理由

まず最初に、なぜ僕が卓球初心者が一番最初に覚えるべきサーブに下回転サーブをおすすめするのかをお話しします。

その理由は、

ポイント

① 下回転サーブは覚えるのが難しい
② 下回転サーブは試合で使いやすい

という2つの理由からです。

その理由について、それぞれ詳しく解説します。

理由その① 下回転サーブは覚えるのが難しい

まず初めに、なぜ卓球初心者にとって覚えるのが難しい下回転サーブを1番最初にマスターすべきと考えるのか、その理由をご説明します。

それは、

難しいことができるようになれば、あとは簡単でしょ?

という理由からです。

確かに難しいことができるようになれば、あとは簡単だという理由は分かります。でも、初心者なんだから簡単なことから覚えていくのが普通だよね?

そんな声が聞こえてきます。

確かに、簡単なことから覚えてから徐々に難しい技術に挑戦するというのが当たり前だと思いますし、実際に僕が指導する際も簡単なことから練習させるのが普通です。

じゃあ、なぜサーブは難しい下回転から覚えたほうが良いのか?

その理由は、理由その②で解説します。

理由その② 下回転サーブは試合で使いやすい

卓球初心者にとって覚えるのが難しい下回転サーブを1番最初にマスターすべきと考えるのか、その理由の2つめの下回転サーブは試合で使いやすいという点について解説します。

なぜ下回転サーブが試合で使いやすいのか、その理由を説明する前に、下回転サーブ以外のサーブのメリットとデメリットを解説します。

上回転サーブの最大のメリットは、絶対にストップされないということです。

ただ、相手が上回転と分かってしまえば、どんな短いサーブでも攻撃の格好の餌食です。

上回転サーブは、単体で使うにはデメリットが大きいです。

横回転サーブも、相手のレシーブコースを限定させることができるという大きなメリットがあります。

とはいえ、横回転サーブでは、相手が返球したボールに横回転が残ることがあり、3球目攻撃の際にそれが思わぬミスにつながることがあります。

下回転サーブのメリットは、短いレシーブがされづらいということと3球目攻撃の際の思わぬミスを防ぎやすいという理由です。

下回転サーブをストップで短くレシーブしようとすると、それなりに難しいテクニックが要求されます。特にもサーブの回転量が多ければなおさらです。

下回転サーブをネット際に短くストップしようとするなら、サーブの回転が台との摩擦によって一旦弱くなるバウンド直後を狙うしかありません。

それ以降では徐々に回転量が戻ってくるので、相手が短くストップしようとしてもネットにかけてしまうか、ツッツキやフリック、ループドライブなど大きめのレシーブが返ってくる可能性が高くなります。

また、下回転サーブはチキータを防ぐ有効な手立てとなります。

とはいえ、下回転サーブにもデメリットがないわけではありません。

下回転サーブの最大のデメリットは、相手のレシーブが浮いてくることが少ないという事です。

相手のレシーブが浮いてくる可能性が少ないと言う事は、攻撃のチャンスが少ないということにもなります。

ただ、相手のストップを防ぎ長いレシーブにしやすいことと、自分が出したサーブの回転の影響を受けづらいことを考えると、どんなに難しくても下回転サーブを覚えることの方が、短期的にも長期的にもメリットが大きいと考えいます。

下回転サーブが難しい理由

下回転サーブのコツを説明する前に、なぜ下回転サーブが難しいのか、その理由から説明します。

まずは下の2つの図をご覧ください。

図1 上回転、横回転サーブのラケット角度
図2 下回転サーブのラケット角度

図1が上回転や横回転サーブを出すときのインパクトの瞬間のラケット角度、図2が下回転サーブを出すときのインパクトの瞬間のラケット角度ラケット角度を真横からみた図です(分かりづらいかもしれませんが…)。

一目でラケット角度に大きな違いがあるのが分かります。

図1の上回転や横回転サーブの時のラケット角度は、コートに対し垂直に近い形で立っているのが分かります。

そのため、ボールを前に飛ばすというイメージがなくともボールは前に飛ぶため、比較的簡単にマスターすることができます。

ところが、下回転サーブのときのラケット角度は、図2を見てわかるとおりコーチとに対し水平です。

このラケット角度が、下回転サーブが難しい最大の理由です。

下回転サーブを出すには、水平のラケット角度のままボールをインパクトしてボールを前に飛ばさないとボールに強い下回転を与えられません。

ところが、このラケット角度だとインパクトの瞬間ボールが上に跳ね上がり、ボールが前に飛ばないような気持ちになってしまいます。

すると、無意識にボールを前に飛ばそうとしてラケット角度が立ってきます。

実際に、僕が指導した選手も、下回転サーブを教えると、最初はラケットを水平にしているのですが、時間がたつにつれてラケットがどんどん立っていきます。

そこで、ラケット角度が立ってきていることを指摘し、なぜラケット角度が立ってきたのか、その理由を聞くと

「ボールを前に飛ばすようにラケットを立てた。」

とのことでした。

そこでコツを説明したところ、練習を重ねていくうちに徐々に前にボールが飛ぶようになり、と同時にボールに強い回転を与えることができるようになってきました。

ということで、次はいよいよ下回転サーブのコツについて解説します。

下回転サーブのコツ

いよいよ下回転サーブのコツの解説です。

下の図をご覧ください。

下の図は、下回転サーブを出す際のラケット角度とスイング方向を簡単に図示したものです。

図3 回転量が少ない場合のラケット角度とスイング方向
図4 回転量が多い場合のラケット角度とスイング方向

図3が、先にお話ししたボールを前に飛ばそうと思うあまり、ラケット角度が立ってしまった場合の図です。

ラケット角度が立ってしまったため、自然とスイング方向も上から下に切り下すようになってしまいました。

この角度でも回転がかからないわけではありません。

ただ、図4の場合に比べると回転量は確実に少なくなります。

なぜなのでしょうか?

インパクトの瞬間、ボールとラバーの間には反発力と同時に摩擦力が発生します。

ボールの飛ぶ方向は、反発力と摩擦力どちらが大きいかによって決まります。

下回転サーブの場合、反発力が大きければボールは上に跳ね上がり、摩擦力が大きければボールは前に引っ張られます。

そう考えると、図3のラケット角度とスイング方向の場合、インパクトの瞬間に強い摩擦力を生み出してしまうとボールは下方向に引っ張られるので前に飛びません。

図3のようなラケット角度とスイング方向でボールを前に飛ばすには、摩擦力を抑えて反発力が強い状態を生み出しボールを前に弾き飛ばす必要があります。

となると自然と回転量も少なくなります。

もうお分かりですね?

図4のようなラケット角度とスイング方向でボールを前に飛ばすコツは、スイングを早くして摩擦力でボールを前に飛ばすということです。

摩擦力が大きくなるということは、当然ボールの回転数も上がります。

つまり、図4のようなラケット角度で水平方向に素早いスイングをするということは、前にボールを飛ばしつつ強い回転もかけることができる、まさに一石二鳥のテクニックなのです!

まとめ

今回は、卓球初心者が最初に覚えるサーブは下回転サーブがおすすめだという理由とコツをご紹介しました。

たぶん難しいと思われた方が多いと思います。

でも、その難しいことができるようになれば、短期間で強くなる可能性は格段に上がります。

サーブの回転量を上げる方法については、別の機会にさらに詳しく説明したいと思っていますのでお楽しみに!

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